【出張一人飯ログ】宮崎で見つけたウマい飯、ビジホ泊。

宮崎定点観測。三年目の正直で見つけた、完璧なる「地鶏」と「〆」のシーケンス。

はじめに:南国の風に吹かれて

今年も、この季節がやってきた。

気づけば三年連続となる、宮崎への訪問。

空港の外へ出た瞬間に感じる、あの独特の生温かい南国の風。

これに触れると、「ああ、宮崎に帰ってきたな」という実感が湧く。

仕事の合間を縫って、あるいは仕事を終えた後の、私なりの宮崎の楽しみ方。

それは、変わらない安定の味と、新たな食の探求にある。

今回の旅では、その二つが完璧なシーケンス(流れ)として繋がった、ある夜の記録を記したい。

宿泊:橘通りの静かな拠点「ホテルルートイン宮崎橘通り」

今回の宿は、宮崎のメインストリート、橘通りに面した「ホテルルートイン宮崎橘通り」。

出張者にとって、大手チェーンの安定感は、何物にも代えがたい安心材料だ。

外観は、夜の街に静かに佇む、見慣れたルートインの佇まい。

客室はシンプルで機能的。

デスクワークも十分にこなせるスペースが確保されており、ビジネスの拠点として申し分ない。

そして、このホテルの最大の白眉は、大浴場「旅人の湯」があることだ。

館内案内の14階に記された「展望大浴場」の文字。

仕事を終え、この街の夜景を眺めながら湯船に浸かる瞬間、一日の疲れが霧散していくのを感じる。

これぞ、大人の旅の必需品と言えるだろう。

1軒目:二夜連続の邂逅。「もも鐡 本店」の地鶏

宮崎の夜の始まりは、もうここ以外に考えられない。

橘通りから少し入った路地裏にある、「もも鐡 本店」。

赤いちょうちんに導かれるように、暖簾をくぐる。

実は今回の滞在、料理の旨さと居心地の良さから二夜連続でここへ通ってしまった。

それほどまでに、ここの地鶏は、私を惹きつけて離さない。

注文は「地鶏のもも焼き」。

運ばれてきた瞬間、炭火の香ばしい匂いが鼻を突く。

この漆黒に輝くビジュアルこそ、宮崎地鶏の真骨頂。

噛み締めるたびに、濃厚な旨味が溢れ出し、それを九州特有の甘めの醤油が、優しく、かつしっかりと受け止める。

この完璧な調和。

他の地鶏料理も、どれも水準が高い。

丁寧な仕事が感じられる料理の数々に、箸が止まらない。

そして、この地鶏に合わせるべきは、やはり地元の焼酎だ。

今回は、宮崎限定の芋焼酎「青島」をロックで。すっきりとした飲み口でありながら、芋のふくよかな香りが感じられ、地鶏の脂を心地よく流してくれる。

地鶏、醤油、焼酎。

この三位一体の攻撃に、私は心地よく酔いしれた。

2軒目:地元民が教える、意外なる「〆」の方程式。「とん汁 no mu chi」

心地よい酔い心地の中で、ふと考える。

「今夜の〆は、どうしようか」。

宮崎の〆と言えば、釜揚げうどん、あるいは辛麺。

それがこれまでの私の「方程式」だった。

しかし、今回は三年目。

少し、冒険がしたかった。

1軒目の「もも鐡」の店員さんに、「地元の方が通う、おすすめの〆は?」と尋ねてみた。

返ってきた答えは、意外なものだった。

「豚汁、どうですか?」

豚汁で、〆る?

ラーメンでも、うどんでもなく?

半信半疑のまま、教えられた住所へと向かう。

そこに現れたのは、「とん汁 no mu chi(のむち)」という、小洒落た暖簾を掲げたお店。

コンクリート打ちっぱなしの壁に、赤い扉がアクセントになっている。

そのモダンな外観に、私の期待値は少し上がった。

暖簾をくぐると、店内は出汁の優しい香りに包まれていた。

運ばれてきたのは、木の器に入った、具だくさんのとん汁。

中心に添えられたネギの緑が、食欲をそそる。

一口、スープを啜る。

「……旨い、そしてこれは粕汁だ」。

思わず、独り言が漏れた。

酒粕の芳醇なコクと、野菜の甘みが溶け込んだ、濃厚でありながら優しい味わい。

お酒を飲んだ後の体に、これほどまでに優しく染み渡る食べ物が、他にあるだろうか。

ラーメンやうどんの、あの「攻め」の〆とは違う。

体に負担をかけず、芯から温め、安らぎを与えてくれる、「守り」の〆。

これは、宮崎の夜における、新たな、そして完成された「方程式」の発見だった。

おわりに

三年目の宮崎。

変わらない地鶏の美味しさと、新たに知った〆の深さ。

この二つが、ホテルでの安らぎと繋がり、今回の旅は、これまでになく満足度の高いものとなった。

定点観測を続けることで見えてくる、街の新しい一面。

だからこそ、旅はやめられない。

南国の夜風に吹かれながら、私は確信していた。

来年もまた、私はこの街に、この風に吹かれに、そしてあの「シーケンス」を味わいに、戻ってくるだろう、と。

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